ハナモモに魅せられた、「大府の花咲かじいさん」

桜井指圧治療院  桜井 義道さん(知多半島はなももの会会長)
ハナモモに魅せられた、「大府の花咲かじいさん」

今、大府でハナモモがアツいー。
市内小学校等に続々と植えられ、今年11月の、あいち健康の森での「健康長寿フェスタ」では約300本もの植樹が予定されているハナモモ。
その立役者であり、花の美しさに惚れ込み、人はもちろん市や県まで巻き込んで見事な花を咲かせようとしている桜井義道さんにお話を伺いました。


(プロフィール)
桜井 義道(さくらい よしみち)
「はなももの里」として知られる長野県下伊那郡 阿智村出身。1951年生まれ。
大府市中央町で桜井指圧治療院を営んで38年。地域活動にも積極的に参加し、大府コミュニティでは10年間環境部会会長を務める。花まるOBUプロジェクト会長。知多半島はなももの会会長。

夢が広がる、ハナモモの魅力とは?

「大府をハナモモの桃源郷にしたい」こぼれんばかりの笑顔でそう語る桜井さん。
“ハナモモ”とは、果物の桃の花よりも色が濃くこんもり咲く桃。見頃はサクラの開花時期とほぼ同じで、一本の木や枝から赤、白、ピンクの花が同時に咲く品種もあるのが特長です。
「なぜ同じ枝から違う色の花が咲くのか、何回見ても不思議でねぇ」と桜井さんは子どものように目を輝かせます。その美しさから、故郷・昼神温泉郷のはなもも街道には、毎年、多くの観光客が訪れるのだとか。

桜井さんは10年前、地元コミュニティが市のモデル地区になったのを機に、観光資源が少ない大府にハナモモをと活動に乗り出しました。

夢が広がる、ハナモモの魅力とは?

あいち健康の森の植樹ではオーナー制度を採用。グングン育つ苗木には名前入りのプレートが掲げられています。春には早くも可憐な花を咲かせるのだとか。

つながりを育て、タネを育てて

助成金等は活用するものの、桜井さん達の活動はほぼ無償。その根底には「楽しんでやらんと、いいアイデアも出てこん」という想いが溢れています。

持ち前の明るさと柔らかな物腰、何より、ハナモモへの愛情が人を呼び寄せ、花苗の生産者や畑の提供者など、多くのつながりと協力を得て、桃の実から採ったタネを育てて苗作りに成功しました。
その後は、こちらの小学校に数本、あちらの中学校にも数十本と、公共施設を中心に植樹を行い、2014年、15年あいち健康の森での「ウェルネスバレーフェスタ」では、希望者を募り約100本ずつ植樹。
この秋にはさらに300本もの植樹を予定しています。

つながりを育て、タネを育てて

二人三脚でタネを育ててきた花苗生産者・貝沼さんと。「土だけの小さなポットから芽が出た瞬間は、本当に嬉しいし愛おしいんだよね」と息もピッタリです。

「人づくり」も、キーワードは“持続可能”

「想いに裏付けされた活動が、進化しながら無理なく続く」それはまさに活動の理想。
例えば桜井さんのスタンスは、決して上から目線ではなく皆に「やって、やって」とお願いする。すると、各々が自主的にアイデアを持ち寄る。1人では夢を実現できないとわかっているからこそ、理想の「人づくり」ができるのです。

そしてその活動が市や県の目に留まり、今、大きなステップへ。
「植物を育てることは、ウェルネスバレーが掲げる“持続可能”そのもの。さらに着地型観光の具現化として、大府をハナモモの郷にすることが楽しみです」と語る桜井さんの目には、桃源郷の実現に向けてさらなるイメージが開花していました。

手渡すのはバルーンと笑顔。それが私のクラウン流儀!