情熱と効率化で挑む、大府のちょいワルファーマー!

山口 貴也さん(キャロットファーム)
情熱と効率化で挑む、大府のちょいワルファーマー!

「遊びも農業も、おもしろいからやるんだよ!」冗談交じりで屈託なく語る山口貴也さん(以下、貴也さん)は、大府の代表的特産品「木の山芋」の生産者。日焼けした肌にサングラス、パンツは迷彩柄…“かっこいい農業家”感漂うその素顔にググッと迫りました。

(プロフィール)
山口 貴也(やまぐち たかや)
大府市共和町・木ノ山地区出身。1971年生まれ。同地区で木の山芋をはじめ、人参、大根、玉ねぎなどを育てる「キャロットファーム」を運営。生産組合の代表として、大府の特産品「木の山芋」を積極的にPRしている。木の山芋をモデルにした謎のゆるキャラ「いもメン」を応援する優しいマネージャー的存在でもある。

大府の特産品「木の山芋」とは?

近年、開発が進む共和西地区。閑静な住宅街を過ぎると、急に広がるのどかな丘陵地。その先には伊勢湾岸自動車道を臨むこの地が、貴也さんのフィールドです。
代々引き継いた畑で育てるのは、人参、玉ねぎ…そして「木の山芋」。長細い長芋や、平たく広がった銀杏芋が主流のヤマノイモの中で、ゴロッとした丸形が特長です。この地区で生まれ育ち、幼少時代から「またトロロごはんか…(笑)」という程その味に慣れ親しんできた貴也さんにとって、この地で農業をと思い立った時に、木の山芋作りに携わることはごく自然なことでした。とは言え、子どもの頃の夢は「農家」ではなかったのだそうで…。

大府の特産品「木の山芋」とは?

栄養価が高く、ねばりとコクは一級品の「木の山芋」。地元飲食店でもとろろご飯や創作料理などが味わえます。収穫は11月中旬頃からです。

地元を離れて、基礎と実践を学ぶ日々。

「マジメに夢を追って…」ではないものの、貴也さんは農業高校で3年、農業専門学校で4年、基礎を学びます。全寮制だった茨城県の専門学校では上下関係を叩きこまれ、精鋭の中でついて行けずにグレ気味に。地元に戻り、一度は自動車会社に務めますが、その後、福井県の肥料会社に入社。実務経験もないまま農場を任せられ、当時さきがけだった有機栽培米の生産、販売等を行います。
そうして、再び大府に戻った貴也さん。お父さんの農家を手伝う中で、転機は先輩農家さんが作っていた“高いけど旨いトマト”。そこで野菜の価値の低さや、農業界全体のレベルの低さを感じ、自分の道を極めるべく独立。「感動する野菜で、世間をビビらせたい」と動き出します。

地元を離れて、基礎と実践を学ぶ日々。

例えば天気予報が雨であれば、その日は外作業できないのを見据えて室内作業を予め準備。基礎と経験をベースに、天性の勘で農業を楽しみます。

“一日かけて行う仕事を、3時間でやる方法”。

「地元で野菜を売りたい」「おいしさと価値を広めたい」そんな想いで、コネもないままスーパーに売り込んだり、知多半島の学校給食に人参が採用されたりと精力的に活動する一方、「だけどラクしたいし、遊びも大事」と笑う貴也さん。趣味の釣りに興じたり、飲みに行ったりとプライベートも充実しています。汗水垂らして働いて…そんなイメージの農業ですが、徹底的な能率化と野菜を見極めるタイミングや勘を働かせて、余裕を生み出しているのです。
「自分の采配次第。だから農業はおもしろい!これからも、若いやつらがプライドを持って入れる業界にしたい」その道50年の地元ベテランも、貴也さんのノウハウを聞きに来るという唯一無二のスタイルで、今後も大府に農業のタネを蒔き続けます。

スピードの先に見出す、勝利と親子のカタチ。
日本、そして世界へ向けて、大府発の「スシーン」を!