子どもたちの可能性のために。僕らができること。

山田大空さん(ダンスとアートのNPO法人TRILL 代表理事)
子どもたちの可能性のために。僕らができること。

親しみ深く、柔和なまなざしと共に、熱っぽく語られる子どもたちへの想いー。
市内のイベント等で、最近目にするようになったダンスとアートのNPO法人「TRILL(トゥリル)」。その代表理事・山田大空さんが目指す、子どもたちの居場所づくりとは?

(プロフィール) 
山田大空(やまだ おおぞら)
大府市神田町出身。1990年生まれ。愛知県立芸術大学大学院修了。NPO法人「TRILL」代表。イラストレーター、デザイナーとしてロゴ制作や刺繍を施した作品等を発表。学童保育指導員、絵画教室講師の経験を活かし、「TRILL」のアートクラス、KIDSダンスクラス講師も務める。素敵なお名前「大空」は本名。

独自のポリシーが導いた、NPO法人化。

3歳から小中学生、大人までがヒップホップを踊る「TRILL」ダンスクラス。
中学時代、前身となる地元サークルでダンスを習った山田さんは、それを引き継ぐ形で仲間と「TRILL」を設立。教える側になり、自分たちの意義を見出します。
例えば、子どもたちと講師の間で交わされるレッスンシート。自己評価と講師のアドバイスは、上達への近道であると共に、講師との信頼関係を築きます。
さらに、目標はダンス大会ではなく地域のおまつり。「地域の方や家族に見てもらうことで、達成感や誇らしさ、“感謝する心”を感じてほしいですね」。しかし、任意団体では地域のイベントに出にくいという現状が。そこで、市の協働促進課の方の勸めで踏み切ったのがNPO法人化でした。

独自のポリシーが導いた、NPO法人化。

コラビアまつりやつつじまつり、大府夏まつりなどに多数出演。山田さんのダンス仲間でもある講師は、靴屋さん、ネイリスト、至学館大学の学生など多彩な顔ぶれです。

アートを介して、自由になれる時間を。

NPO法人の立ち上げと共に、もう一つの柱であるアートクラスを開講。共和東保育園にほど近い教室には、山田さんが描いた花々が壁一面にかわいく咲き、何人も座れる大きな作業台が。教員免許も持ち、幼児造形に長けた山田さんだからこそのアプローチで、子どもたちに温かく接します。
「評価はしません。場やきっかけを作ってあとは自由に。そして、まず認めます」。
例えば、木の幹だけを用意して、枝を付けるも花を咲かせるのもアイデア次第。何を?どうやって?子どもたちのやり方を「へぇ、そうやるんだ!」と同じ目線で受け入れ、おもしろがり、一緒に作り上げる。子どもたちが安心して自分を開放し、成長していく距離感を、山田さんは心得ているのです。

アートを介して、自由になれる時間を。

生き生きと筆を動かす子どもたち。「見守りながら、受け入れ、背中を押してくれる大人がいる」。山田さんは子どもたちにとって講師の枠を飛び越えた貴重な存在です。

「TRILL」が育む、今、子どもたちに必要なもの。

「ありきたりな言葉ですが、子どもたちの“生きる力”を育てられれば」はにかみながらも、山田さんは目を輝かせます。
動と静、一見接点がないようなダンスとアートですが、得られるものには共通項も。ダンスは勝ち負けのない表現の場、上達のプロセスも大事な経験です。絵もまた、自分を見つめて発見し、自信を身につけ成長する場。「TRILL」はダンスとアートの域を越え、子どもたちにとって様々な可能性が広がる場所になりつつあるのです。
「ダンスってまだまだ敷居が高いけれど、気軽に続けられるものになればいい。広く色々な人に届くといいですね」。と笑う山田さん。
そのキャンパスには、これからも子どもたちの色とりどりの笑顔が舞い踊るのです。

金メダル級の元気と笑顔輝く「共和の弁財天」!
磨き抜かれた技と想いで挑む、熱きスノーボーダー!