すべての子どもたちに、スポーツの楽しさを!

奥田知史さん(NPO法人 ROOTS(ルーツ) 代表)
すべての子どもたちに、スポーツの楽しさを!

サッカーチームは数あれど、NPO法人「ROOTS(ルーツ)」の存在は貴重かもしれない…。子どもたちにスポーツを楽しみ、好きになり、そこから多くを学んでほしいと語る代表理事の奥田さん。サッカーだけにとどまらない、その活動をお聞きしました。

(プロフィール) 
奥田知史(おくだ さとし)さん
大府市梶田町出身。1974年生まれ。幼少からサッカーを始め、社会人チームで活躍。2014年、大府で「ROOTS」立ち上げ。サッカーを軸に、運動能力向上、スポーツ鬼ごっこ、メンタルトレーニングなどにも取り組み、親子の信頼関係を育む場も提供している。

人生の中心には、いつもサッカーボールが。

奥田さんのサッカーとの出会いは小3の時。「きっかけは漫画の主人公・翼くんになりたくて」。その言葉通り、抜群の運動神経と努力でめきめき頭角を現すと、中学、高校、社会人チームでも活躍します。
その後、ケガで現役引退、一時はサッカーからも離れますが、縁あってFC東郷の指導者に。子どもたちと強いチームを目指します。「でも、教えるって本当に難しい。幸か不幸か自分は苦労知らず。“こんなこともできないのか”と上から目線になりがちで」。
そんな時、地元に戻り、全く新しいチーム構想に着手。
他チームに入れるのは心配な子も、みんなで一緒にサッカーを楽しもう!これがまさに「ROOTS」の始まりでした。

人生の中心には、いつもサッカーボールが。

「ROOTS」とは「根っこ」の意。サッカー選手としての基礎はもちろん、人としてのあいさつや礼儀、思いやりの心=根っこを身につけてほしいとの想いも込められています。

子どもたちの受け皿に!「ROOTS」で見えてきたもの。

“強さよりもサッカーの楽しさを”との想いで独自の道を進みはじめた奥田さん。平日夜の練習、リーズナブルな月謝、親御さんの当番の負担をなくすなど、ハードルを低くして他との差別化を図ります。
さらに、NPO法人化で活動はより特異なものに。「運動が苦手な子や障害がある子の受け皿が少ない。また、自由に遊びを作り出したり、熱中する機会がない気がします」運動で育まれるのは何も体力だけではありません。奥田さんは考える力やチームメイトを思う心、目標へと努力し達成する場を作りたいと考えます。
そんな活動のひとつが「スポーツ鬼ごっこ」。道具を使わず、運動が苦手でも参加しやすいこの新競技で、2017年には全国大会にも出場しました。

子どもたちの受け皿に!「ROOTS」で見えてきたもの。

手で鬼の角を表現した「オニゴッター」のポーズでパチリ。「スポーツ鬼ごっこ」は遊び感覚で気軽に行えると同時に、Jリーグチームの練習にも取り入れられている注目の競技です。

サッカーや鬼ごっこで育まれる、無限の可能性。

「スポーツ鬼ごっこ」は、相手にタッチされないようにお宝を取り合う7人制の競技。「最初はみんな、わーっとお宝だけを取りに行く。それがかわいい。でもそのうち攻め役、守り役などを自分たちで考え出すんです」。楽しみながらチームプレーの醍醐味を味わえるとあって、さらなる普及にも力が入ります。
そして、多様な活動で見えてきたその意義。
「子どもたちには様々な能力が眠っています。僕らが場を提供して見守ることで、成長のきっかけとなれば」。子どもたちを信じ、あたたかく見守る奥田さんの眼差しが、今後もそのROOTS=根っこを育んでいくのです。

“元気をくれる”植物を、みんなに届けたい。
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